ここ最近、スライティーニシルクの練習をはじめました。
スライディーニシルクは、トニー・スライディーニと言うマジシャンが、完璧と言われるほどの手順を考案されました。
スライティーニシルクとは、きつく結んだ2枚のシルクハンカチが、スルリとほどけてしまう、という有名な古典マジックです。
正確には、スライディーニ・ノッティド・シルクとも言われています。
なぜ、このスライティーニシルクの練習をはじめたかといいますと、ステージマジックで使えるレパートリーを増やしたいと思ったからです。
今までのレパートリーだけだと、何か物足りなくなってきたことや、同じ場所で、同じ人にマジックを見せる機会が増えてきたのです。
それに、年末に向けて、マジックの依頼が増えても対応できるようにするでもあります。
そこで、やっと手がけようと思ったのが、スライティーニシルクでした。
このスライティーニシルクをレパートリーに取り入れようと思った理由は3つあります。
まず、古典マジックの代表作であることがその理由の一つです。
古典マジックがいまだに廃れていないのは、やはりすぐれたマジックであると思ったから。
また、名作マジックが、優れていることを、改めて自分自身が実践することによって再認識したいと思ったからです。
2つ目の理由が、ほかに、2枚のシルクで実践できることから、軽量で、持運びが便利だからです。
そして、3つ目の理由が、お客さんとの「かけあい」もすることができるマジックであるため、ある程度、時間をかけて演じることができるということがからです。
新しいマジックを覚えることは、正直言って、手順を覚えるのは面倒である。
まして、ちょっと複雑な結び方などを覚えるには、ある程度まとまった時間が必要でした。
今回は、じっくりと時間をとって、集中してDVDを見ながら、何度も繰り返してみました。
ただし、一度にすべての手順を覚えようとすると、挫折してしまう可能性が高いので、一つ一つの結び方を覚えるところから始めています。
今のところ、結び方を2つ覚えました。
当然、結び方を覚えただけでは、マジックは成立しないので、次には手順を覚えていかなければならない。
スライティーニシルクの現象は、とてもシンプルです。
2シルクを堅く結ぶが、一瞬にして、ふわっと外れてしまう、という現象。
この繰り返しである。
単純な繰り返しですね。
しかし、絶対に外れるはずがない、と思わせるような結び方なのだが、それが一瞬で外れてしまうところに、不思議さと面白さがあるのです。
お客さんとの掛け合いも、さらに、ウケる要素にかかわってきます。
テレビで、プロマジシャンが演じていました。
テレビで演じていたマジシャンは、前田知洋氏やふじいあきら氏。
もう数年前にテレビでみた記憶があるが、今でも、記憶に残っています。
その影響もあってか、私もいつか演じてみたいと思っていました。
今、私が覚えている教材は、上口龍生氏のDVDでです。
2枚のシルクもセットでついてきました。
説明は、非常に分かりやすい。
カメラの位置が、正面からとマジシャン側から2種類の映像となっています。
正面からの映像では、上口龍生氏が解説を交えながら説明していて、マジシャン側からの映像では、同じ結び方などをBGM付き繰り返してくれます。
このマジシャン側からの映像があるかないかで、理解度が違ってきます。
2枚のシルクを結ぶところから、スタートしますが、一番初めに、結び方を見たときは、すぐに理解できなかった。
ただ、映像を見ながら、何度も繰り返し見ました。
そして同じように手を動かしてみました。
同じように、結んでいるのだが、やはり違う結び方をしているため、うまく外れない。
どこかが、違う。
映像で見て、理解しているつもりなのだが、やはり違っている。
「やっぱりできないのか?挫折しちゃうのかな?」
という思いもよぎる。
しかし、何度もDVDを見ながら、繰り返すと、微妙に結び方が違うことが理解できた。
自分で言うのもなんだが、この自分自身でも試行錯誤して、正しい結び方を発見する過程が必要なのだと思う。
上手くできたときの感動を味わえることができる。
そして、自分で、試行錯誤している過程があるので、どこで間違えていたかが、理解することができる。
一度、覚えてしまうと忘れにくくなる。
しばらく、時間が空いたとしても、試行錯誤して覚えたので、思い出しやすいなどがある。
次に結び方を覚えた後は、力の入れ具合も関係してくる。
どこをきつく引っ張って、どこで調整するか、など・・・
そして、次のステップは、反復である。
この反復練習ができるかどうかが、自分のレパートリーとして身につくかどうかの分かれ道である。
もう一つ、スライディーニシルクの種明かしDVDを紹介します。
それは、マジックファンタジアのマジック入門シリーズ、渋谷慶太氏がレクチャーしている「スライディーニシルク」です。
こちらは、より基本から解説されています。
収録時間も112分と長い。
その分、丁寧に解説している。
まったくの初めてから始める場合は、このマジックファンタジアの種明かしDVDの方が、良いかもしれない。
しかし、収録時間が長い分、飽きてしまう可能性もある。
あとは、好みの問題です。
ただ、マジックファンタジアのレクチャーDVDを購入する場合は、スライディーニシルクも同時に購入することをおすすめします。
なぜなら、まずはこのシルクがなければ、このスライディーニシルクは出来ないということと、
そして、このマジックファンタジアで製作されているスライディーニシルクはちょっとした加工がほどこしてあり、2枚のシルクの違いが、マジシャンだけ分かるようになっているからです。
そして、最後に、スライディーニシルクの関連で紹介するDVDは、マジックパラダイスのNo37です。
こちらは、マジックファンタジアで製作・販売されているDVDです。
このNo37では、上口龍生氏がライブでスライディーニシルクを演じている映像が入っています。
種明かしやレクチャーはしていないですが、お客さん相手にやりとりをしながら、このスライディーニシルクを演じています。
これを見ると、どのようにしてお客さん相手にこのマジックを展開しているのか、とても参考になります。
DVDの場合、本よりもはるかに理解しやすい。
しかし、本来であれば本で覚えるほうが、自分自身の試行錯誤の時間も長くなるので覚えてしまうと、しっかりと自分のものになるのかもしれない。
ただ、本で覚える場合、挫折する可能性が非常に高い。
せっかく覚えようとしている新しいマジックも、そもそも挫折してしまってはもともこうもない。
それに、今の時代、動画による解説がほとんど占めていることからも、この便利さを使わない手はないと考える。
このスライティーニシルクは、クロースアップでも、ステージでも使えるマジックです。
そして、使うのは2枚のシルクだけ。
そのため、持運びにも便利。カバンに入れてもよい。
いきなりマジックをすることになっても、あらかじめ、ポケットに入れておくことも可能。
「今日は何もマジック出来る道具を持ってきてません」といいながら、さりげなく、ポケットから、スライティーニシルクを取り出して「あ、あった・・・」という、セリフから始めることもできます。
これから、まだまだ反復練習を繰り返して、磨きをかけなければならないと思っています。
なぜなら、シルクを外すタイミングや、手さばきをスムーズにしなければならないからです。
シルクの結び方や外し方は理解しても、これをいかにさりげなく、素早く外すことができないと、マジックとして、不思議さを演出することができないと思うからです。
また、このスライティーニシルクのマジックは、お客さんにシルクを結んでもらう場面もあります。そのとき、上手にお客さんとのかけあいが必要になってきます。
このお客さんとの掛け合いが上手くできるか、できないかで、会場の盛り上がりも違ってきます。
まずは、少人数のクロースアップマジックで、この掛け合いに慣れていく必要があると思います。
これから、いつかの本番で使えるように、反復練習を繰り返していこうと思います。
ステージマジックのレパートリーとして取り入れたり、
クロースアップマジックでもいつも同じ人ばかりに見せていて、新しいマジックを取り入れたいと思っている人にとっては、チャレンジしてはいかかでしょうか?
いつでも、どこでも、持ち運びが便利で、すぐにマジックを演じることができるので、覚えてしまえば、一生使えるマジックだと思います。