スティーブ・コーエンはどんなマジシャン?
スティーブ・コーエンの本について知りたい
こういった疑問にお答えいたします。
こんにちは、週末マジシャン・バッザです。
マジック歴25年、会社員のかたわら週末に、施設、イベント、飲み会でマジックを披露するほか、手品講座を依頼される週末マジシャンです。
このような私が、解説していきます。
スティーブ・コーエンの著書、「マジシャンだけが知っている最強の心理戦略」の第1章の要約について紹介します。この本では、富裕層を顧客とする著者の、人の心をあやつる秘訣について知ることができます。
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スティーブ・コーエン(Steve Cohen)
名前 スティーブ・コーエン
英語表記 Steve Cohen
生年月日 1971年2月1日
アメリカのマジシャンであり、ミリオネアズ・マジシャン(百万長者のマジシャン)と呼ばれている。
彼がマジックを見せるお客は、有名人や大富豪。
高級ホテルの一室などのプライベート空間で、マジックを披露する、チャンバーマジック(chamber magic)を行う。
読心術にも卓越している。
CNNをはじめ、ニューヨークタイムズ紙など、さまざまなメディアで賞賛を受けている。
コーネル大学において心理学の学位を取得し、早稲田大学に1年間留学した経験がある。
日本語を母国語同様に使いこなすことができ、日本政府のために通訳を務めたこともある。
有名なマジックとしては、Think a drink がある。
ヤカンを持ったスティーブコーエンは、お客さんに好きなドリンクを言ってもらう。そのヤカンの中から、お客さんが言ったドリンクを、グラスに注ぎ飲む。実際にお客さんに飲んでもらうと、お客が言ったとおりの味である、といったマジックが有名。
マジシャンだけが知っている最強の心理戦略
スティーブ・コーエンの著書、
「マジシャンだけが知っている最強の心理戦略」のレビューをしてきます。
この本は、2007年に出版された「カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術」の、改題、再編集され、新版となったものです。
本書では、ビジネス、コミュニケーション、プレゼンテーション、心理術、ブランディングなど全般に伝えていることから、ビジネスパーソンにとって役立つ話である。
彼自身はマジシャンでありながらも、人からはセールスパーソンと評価されています。
この本には、マジシャンの思考法が書かれています。というよりも、コーエン氏の考えがまとめられていると言ってもよい。
どうやって観客の好奇心を呼び起こし、関心をひきつけ、楽しい思い出を持ち帰ってもらうのか、マジシャンのように、人々に影響を及ぼせれる人物になる、秘訣が書かれている。
本著の第1章「人の心を意のまま誘導する」ための5つのルールを紹介します。
第1章「人の心を意のまま誘導する」ための5つのルール
マジシャンたちが、堂々とパフォーマンスを行えるには、ある一定のルールに従っているからと、著者は言います。
第1章は、そのための5つのルールについて紹介しています。
ルール1.大胆に行動せよ
自信ありげに話す人と、自信なさそうに話す人、どちらを信用するか?
といったら当然、自信ありげに話す人でしょう。
二流マジシャンと一流マジシャンとの違いから、その理由を述べている。
コイン一つ隠す場合でも、二流マジシャンは気が引けているのが態度に出てしまう。
それでは、観客も違和感を察知し、幻滅させてしまう。
一流マジシャンは、何の気おくれなしに、コインを自然に隠し通せる大胆さがある。
人から見られている中でも、自然に振るまうことができるのが、一流マジシャンである。
同じように、ビジネスにおけるプレゼンテーションで、自分の企画を、相手に受け入れてもらうためには、自信ありげに話をすることが大切。
では、大胆に行動ができるようになるためには、日々のどんな訓練をすればよいのか?
それは、3つあります。
(1)知らない人にお世辞を言ってみる、
(2)授業や会議で積極的に手を挙げる
そして、3つ目がもっとも大胆に行動するようになる、効果的な訓練方法だと言えます。
それは......
(3)「人のポケットにこっそりコインを入れる」といった訓練だ。
相手のポケットに注目します。
ポケットが広く開いている人を練習相手にする。
手にコインを隠し持ち、相手に挨拶をしながら軽く体に触れ、ポケットにコインを滑りこませる、といった訓練です。
このようなチャレンジを繰り返すことによって、自分が安全だと思える領域(コンフォートゾーン)から、少し抜け出す、ゾクゾク感を経験することです。
上手くいっても、いかなくても、この訓練を繰り返すことによって、人に対する恐怖心が薄れ、大胆に行動できるようになり、自信をもって話をすることができるようになると、著者は言います。
ルール2.複数の解決策を持つこと
本書のルール2.の標題では、「成功を信じよ」となっています。
しかし、このルールの内容としては、複数の解決策を事前に準備しておくこと、と言ったほうがよいでしょう。
マジシャンは、エンディングを複数用意しています。
それは、不測の事態に備えることであり、マジックではよくあることだからだ。
面接やプレゼンテーションでも、予期せぬ質問が出てくることもあります。
想定外に質問にも対応できるように、準備しておき、それらのすべてを、自分のコアメッセージにつなげるように、答えるようにします。
またセールスパーソンであれば、お客さんの想定される主な回答に対する切り返しを、十分に準備しておくこと。
そのような準備をするための最適なツールとして、「手帳」を活用することをすすめています。
ルール3.説明するのではなく、伝えよ
スティーブ・コーエンが、人前で表現者となり、演じ続けてきた経験から、分かってきたものとは、「暗示の力」である。
暗示の力とは、言葉で説明するよりも、相手の頭の中で考えさせたほうが、自分が望む雰囲気を作り上げることができると言います。
それは、小説を例にあげています。
悲しみを伝える場合、
A「彼は悲しんでいた」
B「彼は、肩を落とし、目を泣きはらして赤くしていた」
Aの直接的な表現ではなく、Bの間接的な表現をすることによって、読者の頭に中に、作者の意図を伝えることができると言います。
もし、あなたが、あなたが思う理想の人物になるには、服装と態度によって、相手に暗示をかけることが必要になります。
口数で説明するのではなく、「服装」と「態度」で示していくことこそが、あなたを、理想の自分に近づける、「最も身近なツール」であることを、覚えておくとよいでしょう。
あなたが理想とする人物を決めて、あなたを演出するプロデューサーは、あなた自身であることを認識することが大切です。
ルール4.練習、練習、練習
「練習しろ」
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、世界の有名人や大富豪を相手にしているミリオネアズ・マジシャンのスティーブ・コーエンが言っているからこそ、説得力があります。
「練習」
シンプルなルールですが、これが真理だといえるでしょう。
たとえば、マジックにおける難しいテクニックに、「クラシックパス」があります。
著者は、14歳の頃から、毎日欠かさず練習していると言います。
難しいテクニックをいとも簡単に、自然に見せられるようになるには、練習しかない。
最初は不可能と思えるような技法も、練習を繰り返すことによって、やがて当たり前にできるようになると言います。
「パートに分けて練習すること」
著書の中では、スティーブ・コーエンが、新しいトリックを身につける際の、練習方法について、記載されています。
練習しなければ、自分の悪い癖も発見できません。
仕事においても、人前で話をするときや、セールスを行うとき、ぶっつけ本番ではうまくいきません。
やはりリハーサルが必要になります。
練習をすることによって、緊張感が抜け、不自然さがなくなり、あなたらしく自然に振るまえるようになります。
ルール5 最大の武器は、「事前の準備」である
これまでの4つのルールに共通することでもあります。
相手の想定を上回るくらいの、あらゆることを調べて、準備することです。
取引先の会社、面接官、恋人など、会う前に可能な限りを調べつくします。
例えば、マジシャンであれば、事前に会場の下調べをする、人よりもいち早く会場入りする。当日のお客さんの年齢層など聞いておく。
数歩先を行き、ありとあらゆることを調べることにより、相手にインパクトを与えることもできるし、誰もが、あなたの話を聞きたくなるし、注目されるようになります。
以上が、第1章の「人の心を意のまま誘導する」ための5つのルールを紹介した。
ほかにも、第6章の「読心術」は、とても興味深い内容となっていた。
第6章「読心術」
第6章では、「相手の頭の中を見抜く方法」について解説されている。
この方法とは、
1.顔色の変化
2.顔面筋とした下唇の変化
3.呼吸の変化
に注目することが述べられ、そのトレーニング方法などが紹介されている。
いわば、メンタリズムのトレーニングのようなものだ。
- 人間観察力を高めるためのトレーニング
- 相手の頭の中を読み取る方法
- 相手が味方か敵なのか見分ける方法
などについて紹介されています。
相手のウソを見抜く方法は、エクササイズがついてあり、もしかして、メンタリストDaiGoさんの読心術も、このようなトレーニ ングを積み重ねてきたのかな?
と思うような方法が、紹介さ れていました。
-
DaiGoの心を読むトレーニング方法とネタバレ情報
人の心を読むことはできるの? どのようなトレーニング方法があるの? DaiGoさんは、本当に相手の表情や仕草から心を読むことができるの? テレビでやってたパフォーマンスは本当? &nbs ...
その他にも、第5章では、「カリスマになる方法」について解説も面白い。
この本によると、カリスマは生まれ持ったものではなく、後天的に作れる!ということだそうだ。
あなたがマジシャンであれば、カリスマになることに一度は、あこがれたことがあるかもしれません。
カリスマになる方法を知ることは、仕事においても、後輩と仕事を進めたり、リーダーシップを発揮するときには、 必要な知識かと思います。
この本を読み始めてみると、ページを進めるごとに、日常生活に密着したテーマについて書かれていたので、一度読みだすと、次々とページをめくってしまい、一気に読むことができました。
最後に
今回は、スティーブ・コーエンの「マジシャンだけが知っている最強の心理戦略」の第1章の「人の心を意のままにあやつる方法」を中心に紹介しました。
5つのルールとは、
- 大胆に行動すること
- 複数の解決策をもつこと
- 説明するのではなく伝える
- 練習、練習、練習
- 事前の準備こそ最大の武器
これらのテクニックを知っただけで、すぐに人の心をあやつることができるわけではない。
この知識を知った上で、練習をくりかえすことが必要となる。
ただ、これらの知識を知らずして、経験を積むよりは、知った上で、数多くの現場を経験することによよって、各段にレベルアップしていくことと考えます。
本のタイトルが、「マジシャンだけが知っている・・・」というだけに、あなたも、マジシャンを目指すのであれば、目を通しておくことをオススメいたします。